2009年6月7日日曜日

タンマガーイ寺院日本別院と埼玉県上尾国際交流会との交流会


上尾国際交流会主催・タイ仏教の紹介 

 去る5月30日土曜日に、上尾国際交流会のお招きで上尾市役所内、公民館会議室に於いて、午後1時半より3時間タンマガーイ寺院日本別院僧侶四名とスタッフによる、タイ仏教、文化の紹介と解説を行いました。 

 タイ仏教の歴史や日本仏教の違い、などを僧侶が解説し、特に現代日本では見られなくなった、上座仏教における僧侶の托鉢の重要さについては参加者の興味を引いていたようです。また、僧侶の指導による短時間の瞑想も、参加者全員で行われました。 

 70名ほどの参加者の中には日本寺院の住職も含まれており、交流会での質疑応答は活発で盛況なものでした。寺院の信者の方々による果物のカービングの実演も行われ、参加者女性に指導し好評でした。  

 タンマガーイ寺院日本別院では、今後も全国各地で同じような国際交流会に参加し、タイ仏教や瞑想を紹介し、日タイの交流を図っていきたいと思っています。

2009年6月6日土曜日

76県における50万人の僧侶の托鉢プロジェット


 このプロジェットは2008年にタンマガーイ寺院とタンマガーイ財団が各県と地元のNPOや各協会との協力によって行われています。

 その目的は、仏教の存在を長く維持し、社会の道徳を取り戻すためです。また、タイ南部の紛争によって266寺院と地元の人々が被害を受けているので、各寺院に生活必需品など必要なものを援助するためです。

 タイ人の習慣としての人々への思いやりは、この仏教の伝統的な文化である托鉢によって生じさせる、という期待が託されます。

 また、人々に本来の仏教徒の善さを取り戻すために、まず、托鉢の儀式に参加してくる人々に布施と持戒と瞑想の実践を実行してもらい、

 仏教による社会平和であることを実感させて、この社会において皆が共に平穏で暮らせることを毎回、行われています。

 昨年から、全国の寺院に呼びかけ、一年間に50万人の僧侶を動員することを目標にし托鉢行事を数度にわたり行って、これに集まった数々の品々を南部寺院に贈呈しています。

 その結果は全国、各県から好評であり、2009年にも継続に、このプロジェットは行われています。

2009年6月5日金曜日

瞑想 ――内面の平和への道――


 私たちは、現代社会を行き抜くためには、様々なストレスを心に蓄積していきます。これが、体と心を蝕む原因となっていくのです。私たちは、自分の体の汚れは、毎日シャワーを浴び清潔に保ちますが、心の汚れをどのように落とせば良いのでしょう。  濁った状態の水が入っているコープがあるとします。この濁った汚い水を、澄んだ水にするために、一番簡単な方法は、ただ放って置くことです。これと同様に、心の汚れも、ただ中心に留め静止させれば、自然に澄み切った綺麗な状態になります。  このように、瞑想とは、心の洗濯とも言えるものです。毎日、瞑想を励行し、この心の汚れを洗い流し、本来の輝く心を取り戻し、心身ともに健康となりましょう。

 

               瞑想法
心身の整え方基本姿勢  
 瞑想の基本的な姿勢は、胡坐をかいて座り右足を左足ふくらはぎの上に置き、右手のひらの上に、左手のひらを乗せ、軽く目を瞑る姿勢です。背筋は、真っ直ぐに伸ばしてください。  しかし、これに囚われず、自分が楽な姿勢で座って体が緊張しないように楽にすることです。例えどの一部でも体が緊張すると言う事は、間違った方法であることへの訴えかけです。


◎ これでも構いません 
 座る際はクッションを使っても、使わなくてもかまいません。自分にとって座り心地がよい体勢を整えてください。座っている姿勢が辛くなれば、楽にしましょう。無理をせず足なども組み替えてください。瞑想は決して我慢比べや、人との競争ではありません。


目の瞑り方  
 目を楽に瞑りましょう。眠りに入る前の状態のように、軽く目を瞑ります。自然に優しく、力んで瞑らないようにして、静かに目を瞑ります。


緊張の開放  
 全身をチェックして、体のどの部分も、力んでいないか、緊張しすぎたりしていないか調べてみましょう。笑顔でゆったりと坐ってください。そして、体全体の筋肉をリラックスさせましょう。頭の部分から、ひたい、まゆ、まぶた、目の周りの筋肉、顔の筋肉、首、両肩の筋肉、両腕から指の先まで、胸周りの筋肉、両足の付根から爪先まで、リラックスします。


呼吸の調え方  
 2-3回、深呼吸をしてみましょう。息を吸い込むとき、体の全ての細胞に幸福や喜びを吸収するように。そして、息を吐き出すときは、悩みやマイナス感情を放つように。ゆっくり、自分の心を日常の仕事、友人、家族、勉強、物事などから自由に開放しましょう。


瞑想の開始

1.瞑想対象の思い浮かべ方   
 まず、体の内部がないと想像してみます。これから、身体の中心に心を留め静止させます。中心は、お腹の真ん中、臍上約2本の指幅にあります。次に、身体の中心即ち、お腹の真ん中に心を統一し集中できるように、心があちらこちらへ行かないように、これから瞑想の対象をゆっくり思い浮かべてみましょう。  

 瞑想の対象として、水晶球を思い浮かべてみます。どんなサイズでも結構です。その水晶球は、正午の太陽のように明るく、万月の月光のように涼しいものだ、と想像しましょう。心を中心に留め静止させ、イメージ対象を思い浮かべ続けます。


☆ これが大切です 
 身体の中心に心を留める感覚とは、空から落ちた羽根が水面に接するように、軽く軟らかい感じです。羽根が水面に接するときの柔らかさをイメージして、同じように身体の中心に心を留めてください。はっきり、見えなくても構いません。どのように見えても満足してください。


◎ これでも構いません 
 しかし、初心者にとっては、身体の中心がどこにあるのか迷うことかもしれませんが、意識しすぎないでください。ただ、ゆったり心をお腹の真ん中に留め、体や心のリラックス状態を保ちつづけましょう。


2.心で言葉を唱え方 
 もし、心が他の事を考えてしまったら、もう一度心を中心に留めながら、言葉も唱えてみましょう。唱える言葉は「サンマー・アラハン」です。これは、心を純粋にするという意味です。この言葉を軽く柔らかく心から湧き上がってくるように、静かに心で唱えます。そして、その声は身体の中心からでてきているように想像してください。このように、「サンマー・アラハン」を唱えながら、水晶球も思い浮かべましょう。


☆ これが大切です  
 心が落ち着くと、自然に「サンマー・アラハン」という言葉を唱えるようになります。しばらくすると、この言葉を唱えることを忘れるか、あるいは唱えたくないと感じてきます。ただ、心を水晶球に留めたいと感じます。このように感じたら、言葉を唱えなくても構いません。心を水晶球にゆっくり、優しく留めてください。


◎ これでも構いません
 「サンマー・アラハン」以外の言葉、例えば、リラックス、幸せ、のんびり等、自分が心地よくなる言葉なら構いません。


4.瞑想が終わる前に   
 最後に、自分が得た内面の平和と幸福を、すべての人種、国籍、信仰、信条に関係なく、生きとし生けるもの、すべてに広げましょう。  それらが私の国にいても、どこにいても。同じ人種でも他の人種でも。私のことを好きでも嫌いでも。私を家族のように、友人のように、敵のように思っていても。  瞑想からの純粋なこの思いやりが、彼らの心にあるすべての怒り、悲しみ、苦悩を取り除きますように。苦しんでいるなら、苦悩から解き放たれますように、幸せなものはより幸せになれますように。すべての人種、国籍、信仰の人々が平和に、寛容さと思いやりの中で共存できますように。  このような思いを実現するために、あなたも、今日から、瞑想を始めてみませんか。

2009年5月29日金曜日

タイ国タンマガーイ寺院と国際仏教青年会による青少年の社会的問題を解決するためのプロジェクト


 現代の社会問題についての深刻さは、人々の注目を集めています。しかし、具体的な社会的問題を解決する方法がまだ見つからないのが現状です。特に、国の将来を担っている若者達の間に起きている道徳の衰退を表す、麻薬服用、犯罪、不倫などがどんどんと拡大しています。
この問題を解決しないまま放置すれば、国の将来が暗くなるに違いはありません。タイ国においては毎年、青少年による犯罪や麻薬服用、不倫関係問題などが深刻な社会的問題となってきました。このような問題は、一番小さな社会である家族から国への拡張をしていきます。

 その小さな社会が崩壊しているように思えてならない今日この頃、これまでタイの社会の精神的柱としての寺院の責任が問われています。物質的発展だけを重視してきた国の方針は、青少年が道徳心を失う原因なのではないかという見方が高まっています。果たして、タイの仏教教団はこれらの問題をどのような役割を果たせばよいのかという難問が出てきます。

 タイ国タンマガーイ寺院は、このようなタイの社会的問題の解決への道として、三つの組織が手を合わせねばならないと考えてます。それは家族と学校、そして寺院です。この三つの組織がそれぞれの立場から、青少年に対する道徳を教えれば、この問題がなくなるとみています。
この考えを実行するために、2008年、タンマガーイ寺院は国際仏教青年会と共に、「善き星」というプロジェクトを開催しました。このプロジェクトは、全国の小、中、高校生を対象に道徳を身につけることを目的にして、自分ができる身の回りの簡単な良い行いを毎日励行して、その結果を日記に書き記し、教師と両親に報告する、ということを指導しています。

善き星のプロジェクトの10項目の行い
1. 寝る前に読経する
2. 瞑想
3. 寝坊せずに起きたら直ぐ寝具を片付ける
4. 礼儀正しく、適切な服装を着る
5. 五戒を授かる
6. 両親に拝礼をする
7. 両親の仕事を助ける
8. 周囲の人の良さを見つけ、それを日記に書く
9. 教科書や役立つ本を読む
10.毎日、貯金する

このようなプロジェクトを積極的に学校に取り組んで、ようやく、その成果が顕著し遂に参加者数は50万人を超えました。そして、文部省もこのプロジェクトを支援するようになり、毎年二回、参加者全員が揃った中で省高官による成績優秀者への賞品授与式が開催されます。このプロジェクトの実施によって、タイの小、中、高校生の道徳モラルが向上したと、全国から賞賛の声が挙がっています。

参加している学校の声

 この善き星プロジェクトに参加している「スッサーソンコ学校」の実例を見てみましょう。この学校はチャンマイ県にあり、都会からすごく離れています。この学校の生徒は繁栄から離れた山岳民族なので、社会的に不平等をされています。このような環境の中で生きている子供達は、不法就労をさせられたり、故郷を捨てて都会に就職に行ったりしている、という社会問題が頻繁に起きています。しかし、このプロジェクトは、子供たちに故郷に対する愛郷心を起こさせ、自分の知識を地域のために有効に開発してもらうこと、とそのような傾向が見られます。チョムナン・シュムシェン先生は、生徒がよい方向に改善していくことを次のように述べます。

「このプロジェクトを採用し始める頃、学生たちは、まだ両親に対する挨拶さえ行いませんでした。しかし、今になって学生たちはずいぶんと変わりました。家から出る前と帰宅する度に両親に礼を行っています。また、寝る前に読経と瞑想を欠かさずに行っています。このようなことを続ければ、都会への就職問題がなくなるでしょう。なぜなら、彼らは家族を愛して自分の生まれた故郷を愛するようになるからです。このプロジェクトは、子供に家族の大切さを教えるだけではなく、学問的に優れることには道徳も伴わなければならないことの重要さも教えているのです。」

スコータイ区域の教育部長ソムポン・タンティソム氏は「このプロジェクトに参加するすべての学校は、皆このプロジェクトの成果を評価しています。参加した学生は、よい方向へと変わって行きます。瞑想を通して自分の学問的な向上と、時間を守ることがよくなりました。ご両親も自分の子供への心配が少なくなります。青少年は国の発展の基礎だともいえます。ですから、このプロジェクトは長期的に国の将来の有利になるでしょう。」と語りました。

イー セーリー氏は、このプロジェクトに参加している息子の変化についてこう言いました。「息子は、このプロジェクトに参加してから、本当によい方向に変わりました。大人に対する謙虚さが生まれ、私の仕事を言わなくても助けてくれます。」


学期の間だけではなく、休みの期間においても、学生たちは、このプロジェクトの活動を続けているのです。


 「私は学期中も休暇中も、お父さんとお母さんの家庭の仕事を助け、寝る前に瞑想を行っています。このプロジェクトに参加した後、私はよい友達を作ることがたくさんできました。今は、もう独りぼっちになるなんてぜんぜんないのです。次の学期にも、たくさんの友達をこのプロジェクトに参加させたいと思います。」

 さらには、芸能人たちは崩壊に向かっているタイの社会を心配し、国際仏教青年会と協力し、四つの道徳を回復するためのドラマを演じました。

1.善き星の奇跡
 小さな少年たちは自分の悪い性格として出現した三匹の悪魔と戦うドラマです。
2.内からの黄金
 ある中学生は、どんなに善い行いをしても認めてくれる人がいません。それにしても彼はその善行を続け、ついて周囲から認めてくれ、まるで中に潜んでいる黄金が表面まで現れてくるようなものです。
3.空の色が変化する
 二つの家族は、このプロジェクトに参加している自分の子供のよい方向へと変化していくドラマです。
4.信仰の光
 実際に、ある教師が生徒にこのプロジェクトに参加させ、周りからの賛成を受けずに、努力してきたストーリーです。

 この様に、社会の様々な人からの応援によって、このプロジェクトはタイ社会に大きな変動を与えました。

2008年5月19日、タンマガーイ寺院にて第一回の善き星の青少年の集会が開催されました。1万校から来た50万人を超える学生たちは、お互いの経験を分け合って、世界で一番長い4キロほどのお釈迦様の伝記の展示会を見学し、皆が一緒に世界平和のために瞑想を行いました。

 その感動的な出来事によって、過ぎ去った今でも参加した青少年たちの心の中に、善き種が蒔かれ、この世界の平和ために成長していくことでしょう。

2009年5月27日水曜日

タンマガーイ寺院に対する感想、吉野周治


 私は3年ほど前、まだ日本にいた時偶然に東京別院を知り、別院のスタッフをしていた友人もできたので、妻と一緒に寺院に出入りをしていました。そして、その年2006年8月より三年ぶりに再度タイに戻り、妻の実家タイ中部で家族で農場、有機肥料製造などを営んでいます。妻は、タイに戻り熱心なタンマガーイ寺院の信徒となりましたが、私は瞑想には興味がありましたが、たま一緒に寺院に行ったりボランティアをしたり、という状況でした。しかし、瞑想を続けるうちに心の平穏さを得られることを感じ真面目に取り組むようになりました。
 
 タイに戻った数ヵ月後、東京別院の友人がタイに戻り僧侶となりました。東京大学でインド哲学博士課程を修了し博士号取得には論文提出だけが残っており、それを断念し帰国したことに驚き寺院を度々訪れるようになりました。そうしている内に、寺院の歴史等を知るにつれ興味深く感動しました。この寺院創立時の建設工事などでの過酷な労働で、お亡くなりになった比丘がいらっしゃることや、 住職のルァンポー・タンマシャヨー師初め僧侶の勤勉さ。

 ルァンポー・タンマシャヨー師は、一日2時間の睡眠で一年中休みなく説法会を開かれ、すべてご自分で説法されている。他の比丘の皆様の勤勉さも、徐々に分かってきました。僧侶が上座仏教の厳格な戒律を厳守している姿を見ていると、友人のソムキャット僧侶に何度か聞かされた「全ての比丘が、仏道に命を懸けている」という事も実感できました。

 寺院が行っている様々な活動にも関心を持ちました。善い行いや慈善活動を行うことは一般的ですが、ただ、教えだけではなく、僧侶が先頭に立ち積極的に悪い行いの元を断とう、とする平和な運動のスケールの大きさには感激しました。

 昨年の初旬あたりからは瞑想での心の平和、落ち着きを実感するようになり、僧侶となった瞑想体験を是非味わってみたいと感じるようになりました。このころには、人間すべての争いの原因は、外側にあるのではなく内面にあるのではと感じ始めていました。心の中の煩悩という、争いの火種です。これを瞑想で消し去ることも可能のように思えてきました。短期出家を決めたのも、このような魅力ある瞑想をもっと深く知りたいと思ったからです。

 そして昨年、寺院で六年目を迎えた国際短期出家に参加し、5ヶ月間上座部仏教僧侶となり瞑想修行を堪能しました。現在は時間が有れば寺院で、友人僧侶の翻訳のお手伝いなどのボランティアをしています。しかし、すべての宗教の存在は、人間が魂の存在を知ることで生きる目的を発見するためには無くてはならないものだとは思いますが、依存しすぎることには危惧しています。真理は自分自身が夫々に適応した手段で感じとり発見するものと思っており、私の場合はそれがタンマガーイ瞑想であって、日々瞑想に励むことによって仏陀の教えが少しづつ理解できて来ました。

 出家体験からも感じることは、瞑想によって得られる心の平和によって日常生活が平穏なものとなり、社会生活に役立つ思考力も向上することです。異文化との交流に加え、このような効果により社会や世界の平和へと繋がっていくものと考えられます。寺院は世界中の多くの人々に、国籍、人種、宗教、宗派とは関係なく瞑想効果を知って実践してもらうために様々に尽力しています。

 そのために世界23カ国に55ヶ所以上の別院でタンマガーイ瞑想法を広く紹介しています。 世界の平和を実現するためにも、国籍、人種、宗教、宗派に囚われず、一人でも多くの人々が瞑想を実践されることを祈念しています。

2009年5月26日火曜日

タンマガーイ寺院の2009年国際短期出家コースについて

出家について

 現代社会には、「出家」は必要なことではないと思う人がほとんどです。しかし、毎日の生活の中で、何か欠けている、何か足りない、お金があっても自分の心が満たされないなど、皆さんはこのような考えを思ったことがおありですか。小さいときから、勉強がよくできれば将来は幸せになれるといつも両親や先生から言われしたが、本当にそれが正しい考えなのでしょうか。
良い成績をとるためにどれだけ大変な苦労を体験しましたか。会社で昇進するために他人と競争して、どれだけの苦しさを味わいましたか。結婚すれば、幸せになれると思う人がいるかもしれませんが、結婚している人はどれだけの人が幸せになっているのでしょうか。果たして、私たちは生まれてから死ぬまで、本当に幸せを手に入れることができるでしょうか。
私たちは、何か大事なものを忘れていないでしょうか。1度きりしかない人生で後悔しないためにも、まず、「なぜ苦しくとも、頑張らねばならないのか」を考えて見ましょう。もしその理由がわかれば、これまでとは違った視点で、これからの人生をよりポジティブに生きていくことができるようになるでしょう。 2500年前、ブッダは「本当の幸せとは何か」を人々に説きました。ブッダは、幸福の定義を二つに分けて説明しています。
1.物質的幸福
物質的幸福とは、肉体と物質の欲にとらわれていることです(財産や貴金属類、または夫や妻、子供など)。私たちは、物を所有することで幸せになれると思い込んでいます。しかし、この種の幸福感は長くは続かず、いつかは苦悩に変わります。例えば、多くの若者が、結婚相手を見つけることさえできれば、幸せになれると信じています。うまく理想の相手が見つかれば欲求は満たされますが、しばらくすると、疑惑、懸念、嫉妬、慢心、悲観、失望などの様々な苦悩が生じてきます。場合によっては、離婚に至ることさえあります。どのような幸福を得たとしても、それが物質的なものである限り、苦悩の原因となり得るのです。
2.真の幸福
この幸福は、財産や人などに頼らず、自分の内面から得られるものです。ブッダは、この幸福を探求するために命を賭けて瞑想を行い、ついには、内面からずっと探し続けてきたこの幸福の源を発見しました。この内面からの幸福こそは人の苦しみの果てです。
出家は、人の原点に戻す機械です。生活に必要な物だけを持ち、すべての心配や重責を下ろし、本当の輝く自分と再会し、心の原点に戻ることができます。また、出家はブッダが教え説き証明した自らの手で実践することにより幸せを会得できるもので、与えられた短い人生で重要な「生き方」を学べる機会です。
短期出家して得られるもの

1瞑想
瞑想によって日々のストレスが解消され心の平和を得ることができます。このことは世界多くの人々が宗教とは関係なく瞑想効果を認識してきています。このコースでは、基本の瞑想法から始まりそれぞれの個性や社会環境に応じたプログラムを実施します。心の平和を得ることによって、各自の生活が平穏なものになり社会生活に役立つ思考力も向上します。心の平和を得ることによって、社会や世界の平和に繋がっていきます。

2仏法学習
仏法とは一切衆生の心を癒し、人を救い、世の中を平和にし、ブッダの慈悲や一切の功徳を教え、争いをなくすものです。さらに、この世だけではなく来世においても生命に喜びを与え、無意味な人生を輝く価値あるものに変えてくれるものです。短期出家を通して仏法を学ぶことで、人生に今まで以上の安らぎと真の幸福を与えられます。

国際短期出家コースについて
 国際短期出家コースは、2003年にはじめて編成されました。修行目的は、青年たちの倫理観と道徳性の育成でした。片寄った学校教育だけでは、十分に倫理観と道徳性を磨くことはできません。
 学歴が高く知的な人が、その学識と技術の使い方を誤ることがあります。例えば、高度な物理学によって生み出された核爆弾は、第二次世界大戦中に使用され、人類は消えることのない傷を負いました。
したがって、学生の心の教育は非常に重要です。賢明な人は、教養と道徳性の両方を兼ね備えることで、その恩恵に与るでしょう。創造的で有益な方法で知識を使えば、それが世界平和に繫がるのです。
7年目を迎える今年は、平成21年7月5日から8月2日の4週間、英語・中国語・日本語の3ヶ国語で実施します。現在までの参加者は、異なった27の国籍から257人にもなります。さらに今回から、日本人・日本語のみの短期出家得度コースとして8月コースを設けました。修行期間は8月8日(土)から8月30日(日) 迄です。
人生のうちから見ればほんの僅かな間を僧侶として過ごす中で、その充実を図る為、原則としてすべて課程の参加を推奨します。修行期間は出家得度日を挟んで2週間ずつに分けます。最初の2週間は、基本的な瞑想を学び、説法を聞いて僧侶の戒律と生活方針の説明・教育を受けます。そしてその後、出家得度を受けて本格的な僧侶として2週間修行します。出家得度式は、毎年感動の涙を呼ぶ清らかで忘れがたい式です。僧侶としてからの修行は絵に描いたような美しい青い空と山に囲まれた環境で瞑想します。「比丘として生きる生涯は自ら輝き全てに明るさ暖かさを与える太陽の様に、自分と他人に『幸せ』をもたらす。」 (釈尊)
資格
国際短期出家コースに興味を持たれた方は、下の注意事項をお読みの上、申し込んでください。
○ 参加希望者が20才から55才までの健全な男性であること
○ 健康で、糖尿病、精神病、癲癇(てんかん)、喘息、腎臓病、薬物依存のような病気、または伝染病でないこと
○ 食事は寺院から非菜食(非ベジタリアン食)の食事が供給されます。宿泊は施設内で過ごします
○ 修行中の支障になるような責務・仕事が無いこと(一部の場合を除いて、修行中のメールや電話は使用禁止)
○ 修行監督の指示に従う心構えと姿勢を持っていること(修行はすべて修行監督によって指示されますが、自分自身にとって身体や健康等の害になってしまうようなことは自己判断で避けてください)
○ 8戒律を厳しく守ることに同意すること 
1.生き物を殺さない   
2.盗みをしない   
3.淫らな行為をしない   
4.嘘をつかない   
5.アルコールや麻薬を取らない 
6.食物を取ってはいけない時間(正午過ぎから翌日の日の出までの間)に食事を取らない
7.ロマンチックな歌や舞を視聴したり、行ったりしない・香水や装飾品をつけない
8.高い寝床や贅沢な寝床につかない8戒律を守って生活した経験が、自分の瞑想や平和で調  和の取れた環境を整えることに効果があるのを実感することができるでしょう。

何かご不明な点がありましたら〔director@ordinationthai.org〕にて質問を受け付けます。またはお電話でお問い合わせください。

総本山代表  ソムキャット比丘 (66)[0]86-327-7137 somkiat_japan@hotmail.com

竹田 (66)[0]83-109-7451

日本別院代表 田村 090-6033-2707 

タンマガーイ寺院及びタンマガーイ財団と東京大学が主催する大蔵経テキストデータベース研究会との共同研究

 タンマガーイ寺院及びタンマガーイ財団は仏教研究の発展のために、パーリ語文献協会(Pali Text Society、PTS)から許可を受け、PTS版パーリ語の三蔵経をプログラム化し、世界中の研究者にこのソフトを研究のために提供しています。2008年には東京大学が主催する大蔵経テキストデータベース研究会とタンマシャイ仏教大学との間で、大蔵経とPTS版パーリ語の三蔵経の共同研究の提携を結びました。この共同研究が完成すれば、世界の仏教界への有益な影響が期待されています。

2009年5月25日月曜日

タンマガーイ寺院の歴史ーその14


海外活動
国際社会への布教活動については、タンマガーイ財団は1986年世界仏教徒連盟に加盟、1988年には世界仏教青年連盟に参加しました。また、海外組織と協力し世界平和への様々な活動を行っています。
 寺院には世界27カ国に40ヶ所以上の別院があり、内面の平和を得て世界平和へ繋がるためのタンマガーイ瞑想法を広く紹介しています。Middle Way(中道)http://www.meditationthai.orgという外国人を対象にした瞑想コースを国内、海外で毎年数回開催しています。また、インターネットを通じて、ピースレボリューションhttp://www.peacerevolution2010.orgという、オンラインでの瞑想指導を世界中の外国人に行っています。

また、各国でのタイ王国との交友関係を築く活動も行ない、タイ文化に興味のある学生に勉強会の開催も行っています。
 将来も、タンマガーイ寺院とタンマガーイ財団は、これまでの方針通りに、つまり人々の心に良き種を蒔きながら僧侶や社会のリーダーなどを訓練して社会に欠けていると思われる道徳を教え、それぞれの地域繁栄のために役立てる決意なのです。

タンマガーイ寺院の歴史ーその13


慈善活動
 タンマガーイ寺院は、全てのタバコ、お酒や薬物を止めて、捨てる運動を奨励した結果、国内だけではなく海外においてもこの活動は広がっていきました。特に寺院境内には、タバコ、お酒や薬物などの一切の持込も使用も出来ないように、皆さんへの協力を呼びかけ実施されています。
更に、寺院はタンマガーイ財団と共に、公共のために様々な活動を行っています。例えば、国内・海外でのタバコを焼却し、お酒を捨てる運動を行いました。ナコーンラージャシーマ県、セーンサーン市にあるフジミの酒造工場を閉鎖することを援助しました。

 サゲーウ県にある一番大きいワイン工場を閉鎖する、サムダソンクラーム県にある売春宿を閉鎖すること、ガーラシン県とサラブリ県にある闘鶏ギャンブル場を閉鎖することなどを援助しました。このような様々な活動を行うは、人々を悪い行いやタバコ、お酒、薬物などから遠ざけるためであり、心の向上を図るためには、これらの薬物などは障害となるからです。
 このような運動の成果で、2004年WHO(世界保健機構)より世界初の僧侶としてルァンポー・タンマシャヨー住職は、このWORLD NO TABACCO DAY(世界禁煙日)賞を受賞されました。次いで世界平和への貢献から2005年ルァンポーは、ガンジー平和賞を授与されました。

 タイ南部の紛争によって266寺院が被害を受けているので、タンマガーイ寺院とタンマガーイ財団は、各寺院に生活必需品など必要なものを援助しています。このために全国の寺院に呼びかけ、一年間に50万人の僧侶を動員することを目標にし托鉢行事を数度にわたり行って、これに集まった数々の品々を南部寺院に贈呈しています。
また、南部の津波被害者に援助金を送って、無くなった人には供養式を行いました。

タンマガーイ寺院の歴史ーその12

仏教の教育を応援する活動
 タイにおける仏教繁栄の理由は、仏陀の教えをよく学びよく実践し、戒律の厳守と修行に絶え間なく励んで人々の尊敬を集めている僧侶達が指導にあたっていることからこそです。

タンマガーイ寺院では、善良な僧侶を育成するために寺院の中に仏教教理を教えるタンマシャイ仏教大学を設立しました。その学校では、仏教教理部・パーリ語学部などを開設しています。更に、他の寺院の仏教教理の向上のために、次のようなプロジェクトが設けられています。

 1.パーリ語を学ぶことを奨励するために、最高位9階級のパーリ語試験に合格した僧侶・沙弥の祝賀式を行っています。
 2.他の寺院の住職や地域社会の長老僧侶やリーダー僧侶を招待し、説法と技法を教育し寺院運営のシステムの紹介も行っています。
 3.仏教研究の発展のために、パーリ語文献協会(Pali Text Society、PTS)から許可を受け、PTS版パーリ語の三蔵経をプログラム化し、世界中の研究者にこのソフトを研究のために提供しています。2008年には東京大学が主催する大蔵経テキストデータベース研究会とタンマシャイ仏教大学との間で、大蔵経とPTS版パーリ語の三蔵経の共同研究の提携を結びました。この共同研究が完成すれば、世界の仏教界への有益な影響が期待されてます。

タンマガーイ寺院の歴史ーその11


24時間仏陀の教えを放送する活動
 24時間、世界中に衛星放送とインターネットを通じて、仏陀の教えを放送するというプロジェクトを開いています。このDMC番組は、2007年に米国映像界で最も有名で権威ある国際コンテストのひとつ「テリー賞」で12部門において受賞しました。
 この番組を毎日100万人に上る人々が視聴しており、仏教放送DMCを通して瞑想、因果応報などの仏教の教理と実践を学びながら、自分の暮らしに実践し役立てています。この仏教放送DMCのお陰で、社会における道徳が高まる活動が、次々と多く行われるようになりました。たとえば、タバコやお酒を断つ運動、カラオケや居酒屋を廃業する運動、ギャンブル(鶏闘の試合)をやめる運動、津波被害者を救済する運動、この被害で亡くなられた人々の追悼式の開催などです。
 現在、紛争の絶えないタイ南部での仏教寺院、僧侶への援助のために、仏教放送DMCが、この媒体として全国各地への援助呼びかけを行い、大きな役割を果たしています。

タンマガーイ寺院の歴史ーその10


Vスター
 Vスター、良き星というプロジェクトは、全国の小、中、高校生を対象に道徳を身につけることを目的にして、自分ができる身の回りの簡単な良い行いを毎日励行して、その結果を日記に書き記し、先生や両親に報告する、ということを指導しています。文部省が支援しているこのプロジェクトでは、年二回、参加者全員が揃った中で、省高官による成績優秀者への賞品授与式が開催されます。2008年度の参加者数は、50万人を超えました。このプロジェクトの実施によって、タイの小、中、高校生の道徳モラルが向上したと、全国から賞賛の声が挙がっています。

タンマガーイ寺院の歴史ーその10

仏教教理試験
・人生の向上への道
仏陀の教えを学ぶことを青年たちに興味をもってもらうために、タンマガーイ寺院が「人生の向上への道」という仏教教理試験を毎年開いています。この試験で最優秀者には、国王からの賞品が与えられます。入学試験を受ける人は1982年に300人でしたが、2006年には、全国19,3839校から4,732,291人の学生が参加されるほどになりました。

タンマガーイ寺院の歴史ーその9


世界中の人が求める場所
 ルアンポータンマシャヨーは、仏教の心である、悪い行いをせずに、良い行いをし、心を綺麗にするという方法を使って、人々の心を高め、社会に道徳を植えつけたいと布教活動をしています。
 心を綺麗にする方法とは、布施、持戒、瞑想のことを指します。たくさんの信者の方々に瞑想を勧めるだけでなく、子供たちに道徳心を備えさせるために指導をしています。
 瞑想指導をするだけでなく、他にもたくさんの活動を行っています。それは…


短期出家コースは一九七二年に始まりました。これは、ルアンポーが知識だけでなく道徳を兼ね揃えた人材を育成する必要があると考えたからです。また、ここで得た道徳を社会に役つ事を願ってこのコースを行うことにしました。
 こうして毎年夏期休暇中に出家することを男子大学生に勧めるようになりました。ここから始まり、短期出家コースは高校生から小学生でも休暇期間を利用して短期出家コースが開くようになりました。

更に、タンマガーイ寺院は、仏陀の教えを学ぶ希望者には、性別と年齢を問わず各コースは、それぞれに相応する仏陀の教えの内容を選んで教えています。そのため、大学生や高校生の女性訓練コースも開いており、更に、政府の人・私立・官吏・軍人・警察・公団・一般の人などのために、道徳を教えるコースもあります。

・国際短期出家コース
 タンマガーイ寺院では、外国人で出家に興味をお持ちの方のために「国際短期出家コース」を毎年実施しています。7年目を迎える今年は、2009年7月5日から8月2日まで、英語、中国語、日本語の3カ国語で実施します。現在までの参加者は、27カ国から257人になりました。今回から、日本人・日本語のみの短期出家コースを8月8日から30日まで開催します。

・外国人女性対象の模範的仏教徒育成コース
女性は出家できないので、仏教を深く学びたい外国人女性のための短期コースです。このコースは英語、日本語コースがあり、8月8日から30日までの開催です。

タンマガーイ寺院の歴史ーその8


  一九九六年になると、タイ全国からたくさんの方々が瞑想に訪れるようになりました。十万人以上の方が同時に瞑想をするようになったのです。ですから4万人の施設では、儀式の最中に雨風、強い日差しをしのぐことの出来ない方々がたくさん出てしまいました。これを知ったルアンポーは新たに「サパータンマガーイサーコン」を二千ライ(約九十七万坪)に建設する構想を打ち立てました。新サパータンマガーイサーコンは2階建てで使用可能面積532,432平米(161,343坪)で、30万人の信者を収容することができる建物です。一九九六年七月に施工が始まり、施設が完成し、使用が始まったのは同年11月3日ガティナ衣式(法衣供養)でした。現在は、重要な年中行事には毎回20万以上の信者の皆さんがここに集まるようになりました。
 これまでには間違った情報でタンマガーイ寺院を中傷したり、ここまで拡大する寺院を理解できない人もたくさんいました。しかし、現在これだけの人々がここへ瞑想をしに来ているのことが、どんな言葉より、仏教を布教するためにこれだけ大きな施設が必要であったことを証明しています。そしてなにより、ここまで大きくなるまでに支援をしてくれたのは、ここへ瞑想をしにくる信者の方々なのです。彼らは、タンマガーイ寺院の仏教の教えが将来社会に役立つと期待して瞑想に励んでいます。
 

タンマガーイ寺院の歴史ーその7


本堂
 タンマガーイ寺院の本堂は一九七七年、年末に建設が始まり、一九八二年5月7日金曜日に完成しました。ベンジャマポピット寺院をモチーフに設計された本堂はシンプルで美しい形をしています。正面には四本の大きな柱が立っています。これだけをみても建物が丈夫だと言うことが分かります。この本堂は揺るがない仏陀の教えを表現しています。
 本堂は、二百名の僧侶を動因しての儀式が可能です。本堂は建設において、すべての工程を肌理細やかに丁寧に作られました。総力をあげ、その時代、一番良い素材を使い建立されたのです。
この本堂は、現在も出家式等、僧団の行う儀式で使われています。

信者と共に成長する
 田んぼしかなかった土地から何年もしないうちに、タンマガーイ寺院は大きな発展を遂げました。数百名の信者は数千人となりました。信者が増え、一九六ライ(約九万七千坪)の土地では手狭になってしまいました。そのため、ルアンポーに賛同し支援してくださる信者の方から将来の仏教の布教のために役立てて欲しいと寄進された土地にを活用し、寺院を拡大することにしました。

タンマガーイ寺院の歴史ーその6




少ない費用で、最高の効用を
 寺院内の建物、それはどの寺院にとっても重要なものです。私達タンマガーイ寺院でも同じです。その中でもルアンポーは、少ない費用で最高の効用のある建物を建てるという方針を持っています。つまり、必要なものを厳選して建てるということです。そして建設後には、最高の効用が得られるようにその施設を使用しなければなりません。建物は設計をする時点で、一番早く建設できるように、それでいて精密で丈夫、かつ美しいものではないといけません。もちろん、建設後のメンテナンスも考慮し、費用が掛からないものにし、すべての建物が劣化しないように、きちんと管理しなければなりません。
 四天王堂は一九七五年に日曜日に寺院を訪れる信者が説法を聞くためにつくられました。屋根は強度を考え、木ではなく鉄を使用し、訪れるすべての人の顔が見れるように堂の中心に柱を置かないように設計し建てられました。真ん中に柱を置かないことで、五百名の信者が一同に座ることができるようになりました。
 建設を始めた当初には「こんな田舎にどでかい堂なんか作っても、集まってくる人なんかいないだろうに。」という風によく言われていました。そう囁かれていた時から六年後、四天王堂に集まる人は、一千人をとおに通り越し、一万人まで膨らんでいました。そして大勢の人々が訪れることから、堂の拡大を余儀なくされたのです。現在、四天王堂は僧侶・サーマネーンの瞑想場所になっています。40年前の建て物が現在でもこうして活用されているのです。

タンマガーイ寺院の歴史ーその5

タンマガーイ寺院・構想
  タイ王国の経済状況は早いスピードで変化し続けています。そのためにタイ人の多くが、寺院から距離を置くようになってしまいました。それに比例するかのように、色々な社会問題も増加しています。これらのことから、ルアンポータンマシャヨーとクンヤーイは、質の良い寺院が必要だと考えたのです。タンマガーイ寺院が少しでも社会問題を解決するのに役立つことが出来るように「良い寺院、良い僧侶、良い人の育成」、誰もが足を運びたくなる寺院を目標にし掲げました。

 一、 快適に過ごすことの出来る場所…誰もが快適に過ごせるように、寺院を清潔で規律のある 場所として保つこと。
 二、快適に食事を取ることの出来る場所・・・寺院を訪れるすべての人が、いつも十分な食事を取ることができるようにすること。
 三、道徳・思いやりを持つ人々の集まる場所・・・僧侶、サーマネーン、ウバソク、ウバシカ等、寺院にいるすべての者が戒を守り、、周りの人から信頼される人であり、瞑想に励み、常に自分を発展させようと努力している人々がいる場所であること。
 四、快適に仏陀の教えを聞くことが出来る場所・・・信者の方々が寺院に来ることによって道徳について知る機会を持ち、毎日に役立つヒントを得ることができる場所であること。そして、すべての人々の学習の場所であること。

 この構想のもと、ルアンポータンマシャヨーとクンヤーイはタンマガーイ寺院に来るの信者の方々に瞑想指導をするようになりました。そしてこの考え肩が正しかったと証明するかのように、沢山のタイ人が寺院に集まるようになりました。寺院で暮らす者が「戒を守り、寺院を清潔にし、そして規律を守っている」それだけで大勢の方々が寺院を訪れるようになりました。また、仏教の教えも、皆さんに分かり易く新しい時代にあった方法をとっています。

タンマガーイ寺院の歴史ーその4

 寺院をつくるにあたり、まずルアンポータンマシャヨーは、参拝者が爽やかで心の落ち着かせることができるようにと寺院の周りに木々を植え、池を作る計画を立てました。そして、ルアンポーに賛同してくださる人々の協力により、たった数年で、この心を落ち着かせる事の出来る場所を完成させることができました。
 このようにして、今の緑溢れるタンマガーイ寺院になりました。地面を覆う緑色をした芝に透き通った水、風に揺れる樹木、心を落ち着け仏陀の教えを学び、瞑想をするという目的にふさわしい場所になりました。
 

タンマガーイ寺院の歴史ーその3


 プララーシャパーワナーヴィス大師(=ルアンポータンマシャヨー)はガセサート大学在学中にクンヤーイに出会い、瞑想をするようになりました。クンヤーイの指導のもと、瞑想をすればするほど、タンマガーイへの悟りの道という価値、プラモンコンテープムニー大師の偉大さに心を打たれたのです。そして大学卒業後、一九六九年八月二七日、パクナム寺院の本堂でプラテーパウォンウェーティ(現在のパクナム寺院住職)から許しをもらい出家し僧侶となりました。

 それ以降、ルアンポーは瞑想に興味のある人々に対し、パクナム寺院の中にあるパラシット瞑想室を利用し瞑想指導をするようになりました。その数は瞬く間にふくれ上がりました。瞑想をしにくる人々が増えたことをきっかけに、クンヤーイと相談した上で、2人は新しいお寺を作り、そこで瞑想指導や仏教の教えを説こうと決めたのでした。そして、数名の仲間を集め、「仏教がより人の心へ伝わりやすく、瞑想をするのにふさわしい、静かで清潔な寺院」を目標にタンマガーイ寺院をいちから作りはじめました。

 ルアンポータンマシャヨー、クンヤーイ、僧侶、信者が力を合わせ団結して、何もなかった一九六ライの土地を木々・草花の茂る誰もがここを訪れると心を休ませることのできる場所帰ることができました。それはまさに、釈尊の時代にあった寺院の姿を再現したかの様な静かで心の安らぐ、瞑想をする者にとっての楽園といっても過言ではないでしょう。

タンマガーイ寺院の歴史ーその2


堅い決意をもって
 総本山タンマガーイ寺院の生みの親は住職であるルアンポータンマシャヨーとクンヤーイです。この2人の強い決意が寺院を作る原点となり、仏陀の教えが人々の心に染み入るようになりました。世界に本当の幸せが来る日を願い、この寺院は創られたのです。
 ふたりの強い決意は、プラモンコンテープムニー大師から受け継いだものです。大師は命を掛け瞑想に励み、タンマガーイに到達することができました。一九一七年十月の満月の夜、バンクーウィアン郡ボーボン本寺院で、大師は悟りを開いたのです。それは仏陀が涅槃に行かれてから500年後のことでした。大師は悟りを開くと、それからは仏陀の教えやタンマガーイ瞑想法を多くの人に広めることに努めました。この行為でパクナーム寺院を有名な寺院へと押し上げました。たくさんの弟子達にこれまでに教えたタンマガーイ瞑想法を世界中へ布教するように言い残し、一九六〇年にこの世を去りました。
 クンヤーイはタンマガーイ寺院の生みの親のひとりです。プラモンコンテープムニー大師に「二番目はいない」と言われた人物です。クンヤーイは大師の遺志を継ぎ、数名の仲間とインプラヤット・ペータヤポンサーウィスタヤーティバディーが布施として提供してくれたパトゥムタニー県クローンルアン郡クローンソーイ区にある一九六ライ(約九万七千坪 1ライ=千六百㎡=約四八五坪)の田んぼだった土地を自ら切り開き、一七九〇年のマーカブシャーデイにお布施された二三〇〇バーツを基にしてタンマガーイ寺院の前身であるプッタジャック瞑想部屋を創りました。その後、広くタンマガーイ瞑想法を布教していくために、タンマガーイ寺院と名づけました。そしてル、その時からアンポータンマシャヨーがタンマガーイ寺院の住職として多くの方々に仏教の教えを説き、瞑想指導をしています。

タンマガーイ寺院の歴史ーその1


総本山 タイ国タンマガーイ寺院

総本山タンマガーイ寺院は瞑想を実践するのにふさわしい寺院です。これは、プララーシャパーワナーヴィス大師(=ルアンポータンマシャヨー)とクンヤーイ・アージャーン・ジャンの堅い決意のもとに生まれました。仏陀が存命されていた時のように、心爽やかに落ち着かせ瞑想が出来るようにという、堅い決意です。そして「良い寺院、良い僧侶、良い人の育成」という構想も打ち立てました。これまでの四十年間、タンマガーイ寺院は人々の心に道徳を植え付け、今の時代にかけていて、かつ世界中の人が必要としている、良い人間を育ててきました。現代社会の問題は、道徳の欠けている人々が起こす事件が多くいました。これを感じたルアンポーは社会問題を解決するために、これが最適な事だとタンマガーイ寺院を人々が集まり、良い事をする場所にしたいと考えたのです。
 寺院を訪れる人々は、当初数百名だけだったのが、数年で数千人、数万人と増えていきました。命をかけて寺院建設を行ったルアンポータンマシャヨーとルアンポーに賛同した仲間達がいなければ、このような成功を収めることは出来ませんでした。ルアンポーは、瞑想によって人々がタンマガーイに到達し、本当の意味の心の幸せを感じて欲しいと思ったのです。この地球に暮らす人々がこの幸せを得ることで、争いのない世界、そう本当の平和がもたらされるでしょう。