出家について
現代社会には、「出家」は必要なことではないと思う人がほとんどです。しかし、毎日の生活の中で、何か欠けている、何か足りない、お金があっても自分の心が満たされないなど、皆さんはこのような考えを思ったことがおありですか。小さいときから、勉強がよくできれば将来は幸せになれるといつも両親や先生から言われしたが、本当にそれが正しい考えなのでしょうか。
良い成績をとるためにどれだけ大変な苦労を体験しましたか。会社で昇進するために他人と競争して、どれだけの苦しさを味わいましたか。結婚すれば、幸せになれると思う人がいるかもしれませんが、結婚している人はどれだけの人が幸せになっているのでしょうか。果たして、私たちは生まれてから死ぬまで、本当に幸せを手に入れることができるでしょうか。
私たちは、何か大事なものを忘れていないでしょうか。1度きりしかない人生で後悔しないためにも、まず、「なぜ苦しくとも、頑張らねばならないのか」を考えて見ましょう。もしその理由がわかれば、これまでとは違った視点で、これからの人生をよりポジティブに生きていくことができるようになるでしょう。 2500年前、ブッダは「本当の幸せとは何か」を人々に説きました。ブッダは、幸福の定義を二つに分けて説明しています。
1.物質的幸福
物質的幸福とは、肉体と物質の欲にとらわれていることです(財産や貴金属類、または夫や妻、子供など)。私たちは、物を所有することで幸せになれると思い込んでいます。しかし、この種の幸福感は長くは続かず、いつかは苦悩に変わります。例えば、多くの若者が、結婚相手を見つけることさえできれば、幸せになれると信じています。うまく理想の相手が見つかれば欲求は満たされますが、しばらくすると、疑惑、懸念、嫉妬、慢心、悲観、失望などの様々な苦悩が生じてきます。場合によっては、離婚に至ることさえあります。どのような幸福を得たとしても、それが物質的なものである限り、苦悩の原因となり得るのです。
2.真の幸福
この幸福は、財産や人などに頼らず、自分の内面から得られるものです。ブッダは、この幸福を探求するために命を賭けて瞑想を行い、ついには、内面からずっと探し続けてきたこの幸福の源を発見しました。この内面からの幸福こそは人の苦しみの果てです。
出家は、人の原点に戻す機械です。生活に必要な物だけを持ち、すべての心配や重責を下ろし、本当の輝く自分と再会し、心の原点に戻ることができます。また、出家はブッダが教え説き証明した自らの手で実践することにより幸せを会得できるもので、与えられた短い人生で重要な「生き方」を学べる機会です。
短期出家して得られるもの
1瞑想
瞑想によって日々のストレスが解消され心の平和を得ることができます。このことは世界多くの人々が宗教とは関係なく瞑想効果を認識してきています。このコースでは、基本の瞑想法から始まりそれぞれの個性や社会環境に応じたプログラムを実施します。心の平和を得ることによって、各自の生活が平穏なものになり社会生活に役立つ思考力も向上します。心の平和を得ることによって、社会や世界の平和に繋がっていきます。
2仏法学習
仏法とは一切衆生の心を癒し、人を救い、世の中を平和にし、ブッダの慈悲や一切の功徳を教え、争いをなくすものです。さらに、この世だけではなく来世においても生命に喜びを与え、無意味な人生を輝く価値あるものに変えてくれるものです。短期出家を通して仏法を学ぶことで、人生に今まで以上の安らぎと真の幸福を与えられます。
国際短期出家コースについて
国際短期出家コースは、2003年にはじめて編成されました。修行目的は、青年たちの倫理観と道徳性の育成でした。片寄った学校教育だけでは、十分に倫理観と道徳性を磨くことはできません。
学歴が高く知的な人が、その学識と技術の使い方を誤ることがあります。例えば、高度な物理学によって生み出された核爆弾は、第二次世界大戦中に使用され、人類は消えることのない傷を負いました。
したがって、学生の心の教育は非常に重要です。賢明な人は、教養と道徳性の両方を兼ね備えることで、その恩恵に与るでしょう。創造的で有益な方法で知識を使えば、それが世界平和に繫がるのです。
7年目を迎える今年は、平成21年7月5日から8月2日の4週間、英語・中国語・日本語の3ヶ国語で実施します。現在までの参加者は、異なった27の国籍から257人にもなります。さらに今回から、日本人・日本語のみの短期出家得度コースとして8月コースを設けました。修行期間は8月8日(土)から8月30日(日) 迄です。
人生のうちから見ればほんの僅かな間を僧侶として過ごす中で、その充実を図る為、原則としてすべて課程の参加を推奨します。修行期間は出家得度日を挟んで2週間ずつに分けます。最初の2週間は、基本的な瞑想を学び、説法を聞いて僧侶の戒律と生活方針の説明・教育を受けます。そしてその後、出家得度を受けて本格的な僧侶として2週間修行します。出家得度式は、毎年感動の涙を呼ぶ清らかで忘れがたい式です。僧侶としてからの修行は絵に描いたような美しい青い空と山に囲まれた環境で瞑想します。「比丘として生きる生涯は自ら輝き全てに明るさ暖かさを与える太陽の様に、自分と他人に『幸せ』をもたらす。」 (釈尊)
資格
国際短期出家コースに興味を持たれた方は、下の注意事項をお読みの上、申し込んでください。
○ 参加希望者が20才から55才までの健全な男性であること
○ 健康で、糖尿病、精神病、癲癇(てんかん)、喘息、腎臓病、薬物依存のような病気、または伝染病でないこと
○ 食事は寺院から非菜食(非ベジタリアン食)の食事が供給されます。宿泊は施設内で過ごします
○ 修行中の支障になるような責務・仕事が無いこと(一部の場合を除いて、修行中のメールや電話は使用禁止)
○ 修行監督の指示に従う心構えと姿勢を持っていること(修行はすべて修行監督によって指示されますが、自分自身にとって身体や健康等の害になってしまうようなことは自己判断で避けてください)
○ 8戒律を厳しく守ることに同意すること
1.生き物を殺さない
2.盗みをしない
3.淫らな行為をしない
4.嘘をつかない
5.アルコールや麻薬を取らない
6.食物を取ってはいけない時間(正午過ぎから翌日の日の出までの間)に食事を取らない
7.ロマンチックな歌や舞を視聴したり、行ったりしない・香水や装飾品をつけない
8.高い寝床や贅沢な寝床につかない8戒律を守って生活した経験が、自分の瞑想や平和で調 和の取れた環境を整えることに効果があるのを実感することができるでしょう。
何かご不明な点がありましたら〔director@ordinationthai.org〕にて質問を受け付けます。またはお電話でお問い合わせください。
総本山代表 ソムキャット比丘 (66)[0]86-327-7137
somkiat_japan@hotmail.com竹田 (66)[0]83-109-7451
日本別院代表 田村 090-6033-2707